牧師 古森薫
この時期、ショッピングモールや街路樹がクリスマスの美しい飾りで華やかに彩られますと、私は幼い頃のクリスマスを思い出します。12月25日の早朝、目覚めるやいなや枕元に手を伸ばし、プレゼントに触った瞬間に飛び起きて、期待でドキドキしながらプレゼントを開けたものです。その日の夕食、母は決まって骨付き鶏もも肉の照り焼きとクリスマスケーキを出してくれました。あの頃、クリスマスのプレゼントとご馳走が待ち遠しくてしかたありませんでした。
今年のクリスマス、皆さんは何を楽しみにして待っておられるでしょうか?
ところで、聖書にはイエス・キリストの誕生に様々な人物が登場します。マリヤ、ヨセフ、天使、羊飼い、東方の博士たち・・・。その中で目立たないのですが、エルサレムのシメオンという人がいます。彼は正しく、敬虔な人で、イスラエルが慰められることだけを一生涯、待ち望んでいた人でした。イスラエルが慰められるとは何のことかといいますと、それはイエス・キリストが全人類の罪のために、身代わりとなって十字架で死なれ、三日目に復活したことで成し遂げられた罪の赦しによる神の救いのことを指しています。
さらにシメオンはこの地に救い主が生まれて、自分の目で救い主を見るまでは死なないと信じていました。ある時、シメオンが神殿に入ると、なんと幼子イエスが両親に連れられて入ってきたのです。シメオンは幼子イエスを腕に抱き、神をほめたたえました。
「主よ。今こそあなたは、おことばどおり、
しもべを安らかに去らせてくださいます。
私の目があなたの御救いを見たからです。
あなたが万民の前に備えられた救いを。
異邦人を照らす啓示の光、
御民イスラエルの栄光を。」 (聖書)
今年もまた新たな戦争が始まってしまいました。この世界には罪と死と悪が満ち、争い、憎しみ、悲しみ、苦しみが絶えません。しかし、誰でも自分の罪を認め、イエス・キリストを救い主として信じるなら、罪が赦され、神の救いにあずかり、神の慰めを受けることができるのです。
今年のクリスマス、皆さまが神の慰めを待ち望み、受け取られますようにお祈りしています。